俺 羽島伊月が彼女と出会ったのは
二月中旬
小説家になって
四回目の確定申告の時だった
同業者不破春斗の紹介で
出版関係に強い税理士という触れ込みで
家にやってきたのが彼女
俺の運命の人だ
税理士の大野アシュリーよ
よろしくね羽島伊月君
えおお はい よろしくお願いします
十代の少女にしか見えない
可憐のその姿に
ひどく戸惑うと同時に
胸が高鳴るのを感じた
今思えば
初めて出会った瞬間から
俺は彼女に心惹かれていたのだろう
うん いろんなゲームがあるのね
このお兄ちゃんのことが大好き昨日妹は
お兄ちゃんのパンツをかぶって
毎日オナニーしちゃうのというのは
どんなゲームなのかしら
お兄ちゃんのことが大好きな妹が
お兄ちゃんのパンツをかぶって
毎日オナニーしちゃうゲームです
ダメ兄弟なのにそんなこと禁断の関係にはまっていく美しき妹妻
箱いもう
妹だからおにいちゃんのウンコを食べてもおかしくないよね
彼女が淡々とエロゲーのタイトルを読み上げるたびに
俺の顔は熱くなった
女の子の口から
卑猥な言葉を聞くのは
カニコで慣れているはずなのに
あれ?どうしたの羽島伊月くん
顔が真っ赤の?
いい、別に
もしかして
エッチなゲームのタイトルを読み上げられるのが
恥ずかしいのかしら?
そんなことはない です
あんな大胆な小説を書いているのに
意外とウブなのね
かわいいは
大人をからかうんじゃない
おら あなたは確か
まだ二十歳よね
私はこう見えて三十二よ
えへ マジですか?
マジよう
ロリババア実在したのか
ババアとは失礼ねえ
ウチの業界では
一回りも年上っていうのは
十分バーブはというのが常識で
あや 違う ババアというのは
もちろんいい意味でのババアってことで
ババアはババアでも
ロリがつくことで
逆に最強レベルの萌え属性になるみたいな
よくわからないけれど
まあいいは
年下の坊やの暴言くらい
笑って許してあげるのが
大人の包容力ですもの
おお、さすがは大人の女性
懐が深い
それじゃそろそろ仕事に取りかかりましょうか
そうね まずは
去年買ったエッチなゲームの内容と
そのゲームのどんなシチュエーションで
あなたが性的興奮を覚えたのかを
あなたの口からこのババアに説明してもらおうかしら
一本残らず丁寧に ね
いや やっぱり怒ってませんか?
怒ってないはあくまでも仕事よ
ほら 早くこの
妹フレンズ欲深き獣たちの宴で
あなたが**したシーンを
全て教えなさい
どう考えても確定申告に関係ないだろ
それを決めるのはあなたじゃないわ坊や
聞いたことがないようなひどい確定申告だったが
その年の還付金はなんと
去年の三倍以上にもなった
その有能な仕事ぶりに感服する俺に
彼女は別れ際 こういった
それじゃ これからもよろしくね
お兄ちゃん
はい よろしくお願いします
三十二歳のロリば お姉さんに
お兄ちゃんと呼ばれ
俺の心は かつてないほど
ときめいていた