それからというもの
俺はねても覚めても彼女のことが頭から離れなかった
はぁ あぁ~
ね 伊月なやつ どうしちゃったの
はわかりません
この間のお花見以来
ずっとため息ばかりついているので
お花見で何かあったのかしら?
そういえば
帰るとき税理士の人と話し込んでたような
ああ、あのちっちゃくて可愛いよね
とても年上には見えなかったは
ちっちゃくてかわいい
あ まさか先輩 あの人に妹みを感じてしまったのでは
妹みって何よ?
あの兄さん
ちょっと相談があるんだけど
あぁ あん 千尋がなんだ
うん 実はアシュリーさんに
ア アシュリーさん
うん
アースリーさんがどうしたんだ
うん アシュリーさんの事務所で
アルバイトしないかって誘われてるんだけど
アシュリーさんの事務所でバイト
俺がか?
いや 何言ってるの?兄さん?
僕が誘われてるんだよ
千尋が?
えん
ご飯作ったり事務所の掃除とかしてほしいんだって
空いてる時間に簿記の勉強も見てくれるっていうし
引き受けようと思うんだけど
そ そうか まあ千尋がやりたいなら俺に止める理由をは
いや ダメだ
俺はとっさに反対していた
イケメンの弟と彼女が部屋で二人きりで食事をしたり
勉強会をしている光景を想像すると
胸かきむしられるようだった
え どうしてダメなの?
そ そりゃお前
ただでさえ家で家事とかやってもらってるのに
そのうえさらにバイトなんて
負担が大きすぎるだろ
別にそんなことないけ
どバイトするのは土曜日だけだし
とにかく そのバイトだけはダメだ
小遣いが足りてないなら俺がやるから
いいよ そんなのあんの
なんかよくわからないけど
兄さんが反対ならやめておくよ
おお すまんな
アシュリーさんには俺から断っておこう