貴女が遺した幻想郷は今も変わらずにここにあるわ
もし貴女に会えたのなら伝えたいよ 私はまだ幻想郷に居ると
古びた神社で見かけた 巫女姿の貴女
迷信が排されたこの世界の隅っこで
文明と乖離したその存在はどこか浮いてて
魔法のように私は 貴女に惹かれたの
貴女に入り浸るのは日陰者の性かもね
妖怪と人間のふたりに行き場はどこにもないんだ
【ねえ どうして わたしは気付かぬうちにきみを
巻き込んでしまったのだろう】
そうだけど貴女となら笑っていられはずさ
【そんなに 笑わないでよ 君との別れが辛くなってくるから】
麻薬的なこの刺激 そう 貴女を求めてる
人間に心酔など 嘘と思いたい
これが危険なことぐらいはわかってるさ
それでも貴方の理想を追い求めたくって!
幻想を守る大義の下にふたりだけの箱庭を
【ねえ どうして殺さないのさ それできみは英雄になれるはずだろ】
そんなこと考えてたなんて私じゃないみたい けど切れないの!
【きみをさ 好きになるほど怖くなるの 一方的なこの愛に】
朝焼けに染まる街 私たちは結界に 手 掛けた
その先に あったのは貴女を引き換えに手にした幻想郷ふたりでさ望んだ世界は密かにここにある
【笑ってよ そうじゃないとさ
わたしがしたことが無駄になっちゃうから】
最後に確かめさせてよ 貴女がこの幻想郷にいたこと
例えすべて失ってもそれだけでさ 生きていける気がするから
ねえだからさ 「さよなら」って 言わせてよ