相談がやっと纏まると、
臼と昆布と蜂と栗は、
小蟹を連れて猿の家へ出かけて行きました。
猿はたんと柿を食べて、
お腹がくちくなって、
お腹こなしに山へでも遊びに行ったとみえて、
家にはいませんでした。
「ちょうどいい。この間にみんなで家の中に隠れて待っていよう。」と臼が言いますと、
みんなは賛成して、
一番に栗が、
「私はここに隠れよう。」と言って、
炉の灰の中に潜り込みました。
「私はここだよ。」と言いながら、
蜂は水瓶の陰に隠れました。
「私はここさ。」と、
昆布は敷居の上に長々と寝そべりました。
「じゃあ、私はここに乗っていよう。」と臼は言って、
鴨居の上に這い上がりました。