作词 : 中村 治雄
作曲 : 中村 治雄
泥だらけ長靴を脱ぎすて
靴下から出た指をさすってたら
アザラシみたいな警備兵に
パスポ一トを銃で求められた
夜が明けてそしてまた陽が暮れて
オレはプラハからの手紙を待っている
腐りかけた足を抱きながら
雪の上に座りつづけてるよただじっと
I miss you so
ペリカンの夢で飢えをしのぎ
マックスウェーバーを燃やして温りを得た
洞穴の弁護士はハンモックに揺られ
高いびきをたててるってうのに
冬が終わりそしてまた春が来て
オレはプラハからの手紙を待ってる
ンドムの街が崩れ落ちるのを
例え石になっても見届けていたいのさ氷の眼で
崩れたトーチカで目隠しされ
こずかれながら階段をのぼらされてる
乳首にクリップを挟まれたままで
彼女は神に感謝しつづけてるよ
生を受けてそして死が訪れて
オレはプラハからの手紙を待ってる
草に覆われた鉄条網の中を
シュプレヒコールだけが勇ましく響くただ空々しく
焼けたゴミに群らがるハエどもを
追い払いながら女を抱き寄せる
チョビ髭の伍長は唾をとばし
グレートエンパイヤーを夢見てるよ
夏が終りそしてまた秋が来て
オレはプラハからの手紙を待ってる
ガス室から洩れるワーグナーの子守唄
鼓膜に針金差し込まれたミミズクには何も聞こえない
ひなびた街の枝にぶらさがり
河べりの宿で14才の娘を抱いた
青痣だらけの太股を開いて眠る
あどけなし寝顔が過去にしがみつくよ
虚夢がうせてそしてまた欠伸して
オレはプラハからの手紙を待ってる
安ワインの底であえぐ沈黙を
鼻毛のばした看守がクサイ息はきながらだるそうにみてる
将軍達の夜のアぺリティフから
長いナイフをかざしたメイン•ディッシュまで
キャンドルの餌食にされてる女は
失禁しながら民主主義をせせら笑うよ
英雄は去りそしてまた使徒が来て
オレはプラハからの手紙を待ってる
ステンドグラスに伝説が凍れば
奇蹟は溶けだすオスカ一•ワイルドじゃないけれど美しく
Ah逃げまどう想い出達が
Ahキミの家を訪ねたなら
プラハへの道を教えてあげてくれ
そして朝手を振って見送って
ブレ一メンから列車で送られてきた
ワルシャワの郵便局員がオレに手渡す
息絶えたその手に握られている
伝言をクルスクにばらまいてくれと
草木も枯れそしてまた芽がふいて
オレはプラハからの手紙を待ってる
喪服も切り裂く硝子の嵐が
おどけた余韻で毛皮の裾にからみつく第九をがならせ
黒い9月の未亡人
パルモフカの雑木林の中で
クレムリン•レターを奪い合うよ
還るべき処さえ失くしてるのに
夜が明けてそしてまた陽が暮れて
オレはプラハからの手紙を待ってる
疼きだした骨を鳴らして
汚れた長靴をはき直してる雨になりそうだというのに