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【三郎】（明日は初めてのテリトリーバトル、勢いでいち兄の部屋まで来ちゃったけど、明日のアドバイスをもらえれば、少しを落ち着くよな。)
よし!
【二郎】おー三郎、飯おごってやるからちょっと付き合えよ。
【三郎】なんで僕がお前と二人でご飯食べなきゃならないんだよ。
【二郎】ちっ、相変わらず生意気で可愛くねえ野郎だなお前は。
【三郎】僕は今忙しんだ、どっかへいってろよ。
【二郎】おい、兄ちゃんの部屋ノックすんじゃねえよ。
【三郎】ぎゃっ、何すんだ、はなせよ。
【二郎】しゃらくせえな、ほらいくぞ。
【三郎】やーめーろー
【銃兎】うん？あれは、理鶯。左馬刻の部屋の前で何やってんだ。
理鶯、そんなところで何してるんですか。
【理鶯】銃兎か。いや、左馬刻に用があって来たんだが、部屋の前にこれが貼ってあってな。どうするか少し迷っていたところだ。
【銃兎】ふん、なになに。［今日俺様の部屋に入ってきた奴は誰であろうとぶっ殺す］はあ、やれやれ、まるで子供ですね。理鶯、面倒なので、その用とやれば後日にしておいた方が良さそうですよ。
【理鶯】あ、それが無難だな。ちょうどお前にも声をかけようと思っていたんだ。
【銃兎】私にも何か用が？
【理鶯】用というか、誘いだな。先程ホテルの周りを見回っていた時に、コウモリを数匹捕まえたんで、二人に振舞おうと思ってんな。
【銃兎】こ、コウモリ。
【理鶯】どういうわけか、大コウモリがいたんだ。なぜ中王区に生息しているか謎だが、幸運だった。大コウモリは、別名、フルーツコウモリと呼ばれており、非常に美味だぞ。
【銃兎】な、なるほど。そ、それはありがたいですが、以前もご馳走していただいたので、今日はぜひ私に奢られてもらえないですか。
【理鶯】お前は、意外と律義なのだな。そうだな、たまには馳走になるか。
【銃兎】このホテルの下にレストランがあるので、そこに行きましょう。
【理鶯】うん。
【銃兎】（ああ、危うくコウモリを食べさせられるところだった。）
【女】いらっしゃいませ、何名様でしょうか。
【二郎】二人で頼むわ。
【女】かしこまりました、それではこちらへどうぞ。
【二郎】ほら三郎、行くぞ。
【三郎】ふん。
【女】ご注文がお決まりになりましたら、お呼びください。
【二郎】ああ。
（グイグイグイグイ、うは—）
【三郎】おい、二郎、ちゃんと説明しろよな、本当だったら、今いち兄にアドバイスをもらっているところだったのに。
【二郎】それだよ、それ。
【三郎】あ？
【二郎】お前がアドバイスをもらえにいけば、必ず兄ちゃんはしんみになってくれるんだろ。兄ちゃんは優しいからな。
【三郎】じゃあ、邪魔すんなよな。
【二郎】お前はパッパラパーか。明日はMAD TRIGGER CREWと、いや、因縁がある碧棺左馬刻とのバトルなのを忘れたのかよ。
【三郎】忘れるわけないだろ。バカにすんな。
【二郎】忘れてないんなら、お前は兄ちゃんのことを全く考えていないことになる。
【三郎】何言ってんだよ、バカか。僕はいち兄のことを考えてないわけないだろ、殴るぞ。
【二郎】はっ、バカはお前の方だ。いいか、今兄ちゃんは明日のために一人で集中してもらった方がいいに決まってんだろ。俺らが不安だからって兄ちゃんに頼って重荷になったらどうすんだよ。
【三郎】あ"。
【二郎】本当に兄ちゃんを思ってるなら、今頼るべきじゃねえよ。
【三郎】く、悔しいが、二郎の言う通りだ。確かに僕は、自分のことしか考えていなかった。
【二郎】わかりゃいい。その、まあ、なんだ、お前の兄貴は一人じゃねえだろう、なんがあんなら聞いてやらんこともねえぞ。
【三郎】はっ、僕が二郎に相談するようになったら終わりさ。
【二郎】相変わらず可愛げがない野郎だなお前は。
【三郎】けど、礼だけは言っておく。おかげで一兄に迷惑をかけずに済んだから。それに、少しは話してて落ち着いたから。
【二郎】あ？もっと大きな声でしゃべれや、聞こえねえよ。
【三郎】う、うるさい。
【銃兎】おや、何か騒がしいと思ったら、Buster Bros!!!のメンバーじゃありませんか。
【二郎】MAD TRIGGER CREW！
【銃兎】そう身構えなくても大丈夫ですよ、別に何もしませんから。そうですよね、理鶯。
【理鶯】ああ、小官たちは食事をしに来ただけだ。食事をするときは、幸福でなければならない。争いは食材に対して失礼に当たる。
【銃兎】まあ、食材のことは置いておいても、この通り争う気はありませんので。
【三郎】だったら早くどっか行けよ。
【銃兎】もちろん、とどまる理由もないですからね、へへ。
【二郎】てめえ、何が可笑しいんだよ。
【銃兎】これはこれは、大変失礼しました。そこの中学生さんが威勢だけは良いなと思いましてね。
【三郎】どういうことだよ。
【銃兎】ええっと、君の名前は確か、サンシロ君、でしたかな。
【三郎】......サブロだ。
【銃兎】失礼、三郎君。察するに君は、明日のことが不安で押しつぶされそうになっていますね。あ、隠さなくてもいいですよ、今の君は、職質を受けた犯罪者のようですからね。ふふ、その共通項は、何かを隠すために虚勢を張るってことですかね。
【三郎】くっ。
【銃兎】はは、図星のようですね。けど、恥じることはありませんよ。子供なら、当然です。さ、行きましょうか、理鶯。
【二郎】おい、ちょっと待ってよてめえ。
【銃兎】何でしょうか。
【二郎】てめえ、俺の弟を虚仮にしたんだ。ただで帰れると思うなよ。
【三郎】じ、二郎。
【銃兎】は、やれやれ、虚仮になんてしていないですよ、私はただ、純然たる事実を申し上げたにすぎません。虚仮にされたと感じるのは、君の主観ですから。それを私に押し付けないでいただきたい......
【二郎】うっせんだよ！ごちゃごちゃ御託並べてんじゃねえぞ。てめえの御託はしったこっちゃねえ。俺がむかついてんだからそれでいいんだよ。
【銃兎】何を言っても聞いてはくれなそうですね。いいでしょう、少し大人の怖さを思い知らせてあげましょうか。
【理鶯】銃兎、あまり子供をいじめるな。
【二郎】あ？誰がガキだって？てめえもまとめてやってやがんな。
【理鶯】少年、少しは落ち着け。
【二郎】黙れや。変な格好しやがって、軍人のコスプレかそれはよ。
【理鶯】少年、軍人を馬鹿にするとはいい度胸だ。少しお灸を据えてやるのも軍人の務めか。
【二郎】俺が二人まとめて相手にしてやっから、さっさと表出ろや。
【三郎】......二郎のやつ。
【銃兎】こんな路地裏で、もしかしてヒプノシスマイクを使うのですか。
【二郎】てめえのその傲慢な鼻をへし折ってやんよ。
【銃兎】まあ、いいでしょう。ここなら、監視カメラも人もいない、ばれる心配はなさそうですから。
【二郎】三郎、俺一人でやっからそこで見てろ。
【三郎】あ、ああ。
【理鶯】思い上がるなよ、少年。我々二人を一人で相手にするなんて不可能だ。
【二郎】うるせえ！俺は今マジでどったまに来てんだよ。
【銃兎】では、先攻は譲りましょう。ワンタンで私たちを沈められるよう、頑張ってください。
【二郎】余裕かましやがって、ぶっ倒してやるよ。
（二郎ラップ）
【銃兎】左馬刻や山田一郎と同じ、パワードを仕切るタイプのようですね。学生にしてはなかなかのスキルだ。
【理鶯】まだまだ甘いがな。
【二郎】全く効いてない。
【銃兎】いうだけあって、なかなか良かったですよ。
【理鶯】ふん、所詮は学生か。軍人の恐ろしさをその身に刻んでやろ。
【銃兎】行きますよ。
（銃兎ラップ）
【二郎】ぐうっ。
【理鶯】お前が選んだ道だ。容赦はしない。
（理鶯ラップ）
【二郎】う"っ、ちくしょう。
【銃兎】さて、止めです。
【理鶯】いくぞ。
（銃兎＆理鶯ラップ）
【三郎】やめろ—
【銃兎】ほう、兄をかばいましたか。
【二郎】さ、三郎。
【三郎】ぐっ、勘違いするなよ、僕がきっかけで今の状況になったんだ。だからこれは、自分のためだ。
【銃兎】美しい兄弟愛ですね。いいですよ。二人でかかってきなさい。
【理鶯】結果は変わらん。来るなら早く来い。
【三郎】ああ、やってやるよ。二郎、いけるか。
【二郎】へへ、誰に言ってやがんだ。
（三郎ラップ）
【理鶯】これならお前の兄のほうが幾分がましだったぞ。
【二郎】なら、二人でぶっちかましてやる。
（二郎＆三郎ラップ）
【銃兎】（バカな、二人混合になったとたん、別物になりやがった。）
【理鶯】面白い。
【二郎】おら、何しまってやがんだ。早く次こいや。
【銃兎】はは、今日はここまでにしておきましょう。
【二郎】てめえ、芋引くのかよ。
【理鶯】これ以上やるのはお互いのためにならない。
【三郎】どういうことだよ。
【銃兎】君たち二人になった時のラップは、我々にも相当な負担になるからですよ。このまま続けたら、四人とも使えものにならなくなります。そんなことになったら、左馬刻になんで言われることやら。君たちも、山田一郎に失望されたくはないでしょう。
【二郎＆三郎】っつ。
【銃兎】心配しなくても、明日、白黒つけるんです。そのとき存分にやりあいましょう。
【理鶯】うん、一人だと少年で、二人合わさるとソルジャーか。面白いやつらだ。明日、相まみえるのを楽しみにしていいよ。
【銃兎】ああ、一応私からアドバイスを、君たちはいささか、兄である山田一郎に依存しすぎです。そこのところを少し考えたほうがいいですよ。せっかくポテンシャルはあるのに、それではどこまで行っても兄以上にはなれませんよ。
【二郎】ああ？考えるって何をだよ。兄ちゃんは神みたいな存在だ。最高の男で、最上の男なんだよ。な、三郎。
【三郎】うっ。
【銃兎】ま、聞き流してもらっても結構ですが、今一度自分と向き合ってみるのもいいと思いますよ。それでは。
【三郎】依存、か。
【二郎】あ？三郎、どうしたんだよ。
【三郎】いや、さっきの眼鏡が言っていたことが引っかかってさ。
【二郎】あ？あのクソ眼鏡が言ってたことだ？あんなの無視しとけ。
【三郎】もちろん、一兄の事は尊敬してるさ、けど—
【二郎】おい、兄ちゃんが「けど」とか言い訳くせえ言葉吐くなって言ってただろ。
【三郎】そう、だな。
【二郎】そうだよ。俺らは明日、兄ちゃんのバックアップをしてあいつらに勝つ。至って単純な話だ。
【三郎】バックアップ、か。
【二郎】あ？まだ何かあんのか。
【三郎】いや、何でもない。明日は絶対に負けないぞ。
【二郎】ははっ、その調子だ。生意気じゃないお前はお前じゃねえからな。
【三郎】は、大きなお世話だ。
【二郎】ふん。な、三郎。
【三郎】何だよ。
【二郎】明日、絶対に勝とうな。
【三郎】当たり前だ。負けは許されない。
【二郎】じゃあ、戻って明日のために飯食おうぜ。
【三郎】お前のおごりでな。
【二郎】ちゃっかり覚えてんのな、そこ。
【三郎】へへ。
【銃兎】理鶯。
【理鶯】なんだ。
【銃兎】池袋、山田一郎だけ警戒すればよいと思っていたが、そうもいってられなくなったな。
【理鶯】そうだな。奴らの力は本物だった。
【銃兎】ふふ、明日が楽しみだな。
【理鶯】ふん、小官のやることは変わらない。目の前の敵を駆逐するだけだ。
【銃兎】ふふん。
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