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空に向かう
爛漫たる夜桜
万燈に照らされ輝く頃
常盤(ときわ)なる誓い胸に
歔欷(すすりな)く風
憂いを剪って
織った錦(にしき)を
君に贈ろう
降り灑(そそ)ぐ雨に
凛と立つように
嫋(たお)やかな姿
今も色褪せず
はらり
過去が花瓣(かべん)になって
開いた手のひら
から零れ散る
徘徊(たもとお)るその背中を
常闇(とこやみ)が飲み込んだ
地に墜ちたままの
泡沫の蝶
嗚呼
罅裂(ひびわ)れた
隙間から消えて
幽明境(ゆうめいさかい)を異(こと)にした
美しい
傷痕をなぞり
愛してた君を忘れない
嘆くこともなく
ただ淡々と歩く
諦観(ていかん)と侘(わび)しさが
旁魄(ぼうはく)したように
ほろり
四季折々の雫
川へと海へと還る運命(うんめい)
幻想の裏側の此処に在り続けるから
幾層もの夢と
現を繋いで
嗚呼
水鏡(みずかがみ)
記憶を揺らして
魂の片割(かたわれ) 反映(うつ)し出す
月明かり
百万の眠り
誰にも涜(けが)されぬように守る
願わくば
また出逢えるなら
死生(ししょう)の輪廻を共にしよう
何もかも
忘れたとしても
渝(かわ)らぬ愛を捧ごう
嗚呼
霊(まぼろし)の
桜よ碧落(へきらく)と
黃泉の間(あわい)で
狂い咲け
かの夢の
終わりを綴りて
緊(きつ)く結び合う
千ノ縁(ゆかり)