空を駆ける鉄の鳥
今も思うのは過ぎゆく栄光(えいこう)たちと散りゆく輩(ともがら)
現在(いま)はもう何が残る
けして沈まぬと日の本そのもの讃(たた)えられたこの身には
ああ朧気(おぼろけ)な命…ただ…今はただ悠然(ゆうぜん)と
朽ち果てるなら戦場(いくさば)の果てて
願った幾年(いくとせ)それすら叶わず失望の中
ここにいる意味もかつての自分も見失(みうしな)いかけた
火に体は焼けようと錦(にしき)は濁(にご)らず
海を焼いた終焉(しゅうえん)のあの光の中
引き剝(は)がさらた心にまだ終われないと
懐かしいあなたの聲が聞こえた気がして
そうあの日の誓いがまだ
朽ちてなおここにある
どの道を往(ゆ)く気高き陽炎
絶望(ぜつぼう)の果てに誇りが…誉(ほまれ)が…
あの日の夢が…
手を振るあなたが私の全てを奮(ふる)い立たせる
もしもの彼方壊れた時間が世界が動き出す
熱くなるこの胸にとうに枯(か)れ果てた涙溢(あふ)れだす
待ちわびた歓(よろこ)びの中で砲雷(ほうらい)が鳴り響く
この海を征(ゆ)く気高(けだか)き魂(たましい)
誇りと誉を!
彼(あ)の人のために!
身に刻まれた戦いの記憶
傷跡(きずあと)の数(かず)を時折(ときおり)数(かぞ)え
優しく微笑む幸せの印(しるし)だと