(これは、深い夜の真ん中で起きた思いもよらぬできこと)
夕月:どうしたんだろ。何だか眠れない。もう2時過ぎてるのに。
月がやけに明るく感じるなぁ。今日は満月か。
ダメだ。何だか逆に目が冴えちゃった。水でも飲んでこようかなぁ。
裏切りは僕の名前を知っている オリジナルドラマCD 黄昏館のお夜食
愁生:あれ?いつの間に眠ってしまたんだ。
え、いた。あ、焔椎真...
焔椎真:ビーフステーキ...ピーマン...ダメって...
愁生:こいつ幸せそうな寝顔を仕上がって、鼻つまんでやる~
苦しかったら起きろ。
焔椎真:何だ?何か今すっげえ息苦しかったぞ!
お前、何がしたか?愁生。
愁生:何も~それより、焔椎真、自分のベッドいけよ。もう夜中の2時だ。
焔椎真:は?あ...そっか。まあ、遠間のベッドで寝じまったのだ。
そや、話し込んで途中から記憶ねぇな。
愁生:分かったらさっさと自分の部屋にいけ。
焔椎真:愁生!
愁生:何だよ?いきなり真剣な顔して。
焔椎真:俺、腹が減った。
愁生:は?
焔椎真:何か食いて!キッチンかねぇか。
愁生:お前な...2時だって言っただろ。早く寝ないと...
焔椎真:時間なんて関係ねぇ!腹減ったときが食うときってきまってんだ!
愁生:まったく~相変わらず強引な理屈だなぁ。
夕月:本当、いつ見ても広くて綺麗なキッチンだよね。レストランの厨房みたいんだ。
愁生:夕月?
夕月:愁生くん?焔椎真くんもどうしたんですか?こんな時間に。
焔椎真:腹減ったんだよ。何か食いもんねぇかと思ってなぁ。
愁生:夕月こそ、何をしてんいるんだ?
夕月:僕はなぜか目が冴えちゃって、水でも飲もうかと。
焔椎真:しかし、いつ見ても自立ひとつ落ちてねぇなぁ、ここは。
すぐにぱぱっと食えるカップ麺みたいのもんねぇのかよ?
愁生:遠間さんのプライドにかけてそんなもの置いておかないんだろね~
たまに橘さんが買って忍ばせてみたいんだけど。
焔椎真:あのコックめ...じゃ、俺は何を食えばいいんだよ!
愁生~何か作ってくれ~
愁生:自分で食べる物は自分で作るよ。
焔椎真:じゃあ...
夕月:あ、僕でよかったら、何か作りましょうか?
黒刀:おい、焔椎真お前、うまいこと言ってまた夕月の手料理ありつこうって込んだんだなぁ。
夕月:あ...黒刀くん。
焔椎真:またいいとこで出てき上がった豆黒!
黒刀:うるさい!単細胞!この間夕月がカレーを作った時
ぬけあけして貴様一人で食べようとしたことよもや忘れたと言わせないぞ!
自分で作れ!
夕月:あ、もしかしたら黒刀くんもお腹空いちゃたんですか?
黒刀:おっ、まあ...少しだ...詰碁をしていて頭を使ったら...
焔椎真:おめえこそ自分で夜食なんか作れんのかよおっぼちゃん!
黒刀:お前と一緒にするな!僕は一人で何でもできる!
焔椎真:嘘をつけ!嘘!千紫郎にあれこれ世話させてるだろか!
黒刀:あれは千紫郎が勝手にやてるんだ!僕はできない家じゃない!
それに、あいつが料理してるところを僕が何度も見ている、だから僕はできる。
だが、お前はできない!
焔椎真:は?見たことあるんかよ?ひとのこと断言すんじゃねぇよ!
愁生:ふ...黒刀が黄昏館に来てから、何度となく見た光景だなぁ。
夕月:と...止めないんですか?愁生くん。こうなるときっと...
焔椎真:じゃ、夜食勝負だ!将棋バカ!
黒刀:望むところだ!運動バカ!
夕月:はは...やっぱりこうなりますよね...
愁生:まあ...よくこりもせず...
橘:あ~れ~何か騒がしいと思ってきてみれば何やってんの?
夕月:橘さん?
橘:あ、もしかして夜食でも作る?僕も食べたい~...って
あ、千くんはいない...誰が作るの?
焔椎真&黒刀:僕だ!
橘:あっそ...じゃ、頑張ってね~
黒刀:待って待って待って!橘!
焔椎真:ちょうどいい、お前も食っていけ!そしてどっちがうまいか審査しろ!
橘:へぇ?...ちょっ、離してよ~僕はいいよ...お腹空いてないし...
黒刀:今さっき食べたいと言っただろ!
橘:言ってない!言ってない!
愁生:橘さん、勘弁してぜひ食べていてください~
橘:へぇ!あ、あの、愁くん...笑顔が怖いんだけど...
愁生:この二人が作った物を夕月に食べさせる訳にはいかないでしょう?
館長として、橘さんが責任を持って代表で食べてください~
橘:こんな時だけ館長扱い?僕思い切り途中参加なのに...
夕月:しゅ...愁生くん...
愁生:さあ、二人とも、橘さんが心よく審査を引き受けてくれるそうだ。
何を作るんだ?
焔椎真:お?あ~飯って言ったら、あれだろ~腹にたまるもん、肉とか。
黒刀:バカか?!こんな夜中に肉なんか誰が食べるんだ?!
お腹が空いたら、甘いものに決まってるんだろ!それもあんごだ!
橘:どっちもない!じゃ二人とも頼むんよ~食べるのは僕なんだからさ...
夜食らしい腹にもたらないさらとさっぱり食べられるものを...あ、そうだ!
え、素麺は?素麺...ちゃちゃとゆれて盛り付けるらしい、簡単だよ!ね?
愁生:なるほど、よく逃げ道を見つけましたね~素麺ならゆれて水にさらすだけ。
被害が最小限で済むでしょう~
焔椎真&黒刀:被害ってどういう意味だ!!!
夕月:ま、まあ...二人とも、いいじゃないですか、素麺。素麺対決で行けましょうよ。
焔椎真:お!ぜってい負けねえからなぁ。
黒刀:いってろ!
黒刀:素麺...素麺って...どこにあるんだ?
夕月:く...黒刀くん、素麺は冷蔵庫には入ってませんよ。
黒刀:何?じゃあ...どこに...
焔椎真:ほ!ちびざる~素麺は俺がいただいたぜ~
黒刀:あれが素麺だと?何であんなにまっすぐなんだ!
橘:黑ピ...素麺は茹でる前はみんなあなよ...乾麺、だからね...
黒刀:何だと?そういうことは最初言え!この袋に入ってるやつだなぁ。
焔椎真:ははは...おっぼちゃまこれだからよ~
って~次は鍋に水入れって火にかければいいんだよなぁ~うっと
素麺なんて楽勝だぜ~こんなもんインスタントラーメンと一緒だろ~
茹でりやいいんだよ~茹でりや~
夕月:あ、焔椎真くん、まだお湯が沸騰してませんよ。
それにそんな小さな片手鍋じじゃなくてもっと大きなべしないとくっつっちゃうし
焔椎真:は?こんなこと言っても、もう入れじまたし...
ま、細かいことは気にすんな~
夕月:へえ?
愁生:最悪だなぁ...分かってはいたか?
焔椎真:お?何だ~黒刀~全然できてねえじゃねぇか~俺が教えてやろ~か?
黒刀:いや!お前教わるぐらいならこのまま餓死したほうがマシだ!
何だ...袋の裏に作り方が書いてあるじゃないか~
「美味しく茹でるこつはたっぷりのお湯を使うことと
ゴリ水でぬめりをとり閉めることです。」
閉める?何だ?閉めるって...まあ、いい。書いてある通りにやるか~
まずは大きな鍋でお湯をあがすんかなぁ...よっと
橘:やめよう!この鍋で!
愁生:黒刀は何人分茹でるつもりなんだろね~
夕月:二十人分はいけそうです...
橘:あ...いつ常識外...
焔椎真:さて、茹で上がる間に麺つゆでも用意すっか。つゆつゆっと...
何だよ...冷蔵庫に麺つゆ入ってねぇぞ...つゆもつくんのかよ...あのコック!
夕月:さすが遠間さん~手作りの麺つゆなんですよね!
橘:そうそう!もともと僕がよく素麺を食べあげるから、
常備してくれるようになったんよね~
愁生:付け合せも色々用意してくれますよね~
錦糸卵とか、鳥の笹身を茹でたものとか。
橘:うんうん!そうだね~それに比べて、あの二人は...
焔椎真:わ!何だ何だ!お湯が沸騰した!麺がこぼれる!あ!
夕月:焔椎真くん!触っちゃダメです!火をゆわめてください!
黒刀:バカめ!ちゃんと作り方に書いてあるだろが!
湯が噴き零れるないように火加減を調整しなきゃならないんだ!
脳味噌が筋肉だから、字も読めないんだなぁ~
焔椎真:何だと!このちびざる!お前こそいつまでじんだるやってんだ!
ちっとも鍋が沸騰してねぇじゃねぇか!
橘:うん...それはね、鍋が巨大で水が大量だからなんよね...
黒刀:お湯が沸く間に薬味というものを作るんだ~これを見ろ!
焔椎真:わ!ちくしょう!葱取られた!くそ!一体どこにあったんだよ...
うだに広くて分かりにくいだよ!このキッチン!
黒刀:さて、葱がどう切るか...
確か千紫郎渡したものは小さく輪切りされてたら...よし!
愁生:あれは切るというよりは戦気を落としている。
橘:完全に葱をやっつけてるね...
黑ピ...包丁を使ったことないだろね...もしかしなくても。
夕月:黒刀くん、左手は葱にそいた方が安全ですよ!
黒刀:左手をそえるだ?何でやりにくい!こんな刃物じゃ...
うまくきえる気がしない!
橘:あ、包丁投げた!
黒刀:イサナギ!
焔椎真:わ!武器なんか出してどうする気だよ!
黒刀:うるさい!使い慣れてろものの方がいいんだ!
橘:あはは!黒子!たんやくまむぎで葱きりどうするよ!前代にも前代にも...
愁生:黒刀...そんなものを使ったら、葱どころかキッチンとこだぼだに。
鲁卡:何の騒ぎだ。
夕月:あ、鲁卡!
橘:あれ~ま~ややこしいところにきちゃったね、鲁卡くん。
騒がしくて眠れなかったがい?
鲁卡:いや、眠ていたわけではないが。
夕月がなかなか部屋に戻る気配がなかったからな。
橘:あははは~鲁卡くん~やらしいだ~夕月くんの帰りを待ってたなんて~
鲁卡:黙れ!東京湾に沈めるぞ!
橘:ひどいよ~蹴るなんて...
愁生:黒刀...ひざなぎをしまるんだ。
あ、焔椎真何をしている?
鲁卡:何をやってるだ、あいつらは?格闘技か?
橘:え、キッチンでそんなことすると思う?夜食を作ってんの...
って、僕それを食べさせられんの...鲁卡くんも食べる?
鲁卡:別にかまわないが。
橘:へ!マジで!優勝だ!優勝をつく!
夕月:あ、焔椎真くんが追加の麺を入れようとしている!ダメですよ焔椎真くん!
途中で入れたりしたら麺の硬性ばらばらに!
焔椎真:あ?
夕月:遅かった...
焔椎真:何か言ったか?夕月。またうるせぇの増えあがて...
鲁卡:おい、何だそれは。食えるものなのか?
焔椎真:食えるに決まってんだろ!どっからどう見ても素麺だろか!
橘:いや...確かに見た感じはね...
焔椎真:よっしゃ!後は盛り付けて終わりだぜ!
夕月:く...黒刀くんは?
黒刀:僕も終わりだ!
焔椎真&黒刀:さあ、どうだ!遠慮なく食え!
橘:あはは...どっちも見事なできだね...
夕月:黒刀くの素麺...大量...
黒刀:あるだけの麺を入れたら、こうなった。
愁生:全部使ってしまたのか?もったいない...
橘:うん、へ...食べる前から食欲薄るけど...あ...分かった!
覚悟を決めてたべがる!食べます!まずは焔椎のから!
麺、柔らか!でも、時々硬!しかもすってぇ派手しなくお互いがくずける。
こんな細くない素麺初めてだよ~
鲁卡:総合して、ダメ評価だ。
焔椎真:何だと?
橘:てが、焔椎~麺、麺つゆ、これどうやって作ったの?
焔椎真:醤油を水で薄めた!
夕月:それだけですか?
焔椎真:何か悪いのか?
黒刀:ほら見ろ!僕が言った通り、まとこに作れないじゃないか?
焔椎真:うるせぇなぁ...おい、橘!早く黒刀も食べろ!
橘:あ...はいはい...じゃ、黑ピのもいただくよ...
どうにでも慣れた!ま!何これ!
黒刀:ついに砂糖入れた~僕のオリジナルだ!
橘:入れるにしたく...限度あるし...甘すぎ...
焔椎真:何だ~おめぇもまずいんじゃねぇか?
甘い素麺なんかあるかよ!ガキでも分かるぜ!
黒刀:黙る!お前こそあんな太い素麺なんか前代未聞だ!
神経がつぶといから、素麺も太くなるんだ!
焔椎真:何だと!
夕月:あれ、橘さんの様子がおかしいですよ!
愁生:あ、本当だ~橘さん?橘さん、大丈夫ですか?
橘:ダメ...(倒
愁生:気の疾くに...しょうてんしたようだ。
焔椎真:おおおい...じゃ、勝敗は誰が決めるんだよ!
愁生:俺は食べないぞ~夕月も食べる必要はない~
夕月:で...でも...
鲁卡:それならさっき、二つとも俺が食べた。
ま、どっちもどっちという味だな。大して変わらない。
夕月:すごい~鲁卡~いつの間に...橘さんは気絶しちゃったなのに、平気なの?
鲁卡:一応食い物だからな、咀嚼して飲み込めばいい話だ。
愁生:じゃあ、この勝負引き分けってことでいいな?後は、焔椎真、黒刀
お前達二人でこの大量の素麺を残さず食べるんだ!
焔椎真:へ!俺らだけで?
黒刀:無理だろ!
愁生:さ、夕月、俺たちは水を飲みに来たんだけなんだから。もう寝ようか?
鲁卡:愁生の言う通りだ。戻るぞ、夕月。
夕月:あ、うん!
焔椎真:おおおい...愁生...
愁生:食べ物を粗末にするなよ、二人とも~健闘を祈る~
焔椎真:こ...これを全部...俺たちで?
黒刀:まずは味見よしてみるか?
焔椎真:お...お!
黒刀:まずい!何だこの硬い麺は!焔椎真、お前よくもこんなものを作りあがたな!
焔椎真:てめぇこそ、何だよこのげきやまげろまの麺つゆは!人を殺す気か!
黒刀:は?バカか?甘けば何でもうまいだろ!
焔椎真:なんずじゃねぇよ!白ぷだ白ぷ!
黒刀:何だと!
(こうして、真ん夜中の黄昏館で起こった怪事件は腹痛患者三名、
うち一人重体を出し、真っ黒通じた。本当に世にも恐ろしいできことだった)