作词 : タカハシ ヨウ
作曲 : タカハシ ヨウ
「我々は本年度の開花を拒否することにした」
いつもなら満開のはずの時期に
桜の大統領が発表した声明は
人類を震え上がらせたのだった
「まったく人間どもは毎年 ジロジロ見ては発情し
やかんのような奇声を上げ 酒やつまみをキャッチ&リリース
ちょっと開花が近づけば “まだ六分咲き”などと値踏みして
失礼だと思わないのか!?
人の半裸に点数つけてんだぞ!?
お前らの開頭日をニュースに流してやろうか!!
お前らの肉片を散らしてやろうか!!
もし近づく奴がいたら
鼻に枝を刺し込んで
イルミネーションのパーツにするからな!!」
そんなさくらの主張を聞き
【急遽!】組織された対策委員会
過去のご無礼を謝罪し 委員長は提案する
【その1・花見の名称は“クソ汁の花拝見”に】
【その2・さくら様を前に開口した奴は死刑】
これらのルールを決めたものの
人間側から反対が殺到!
さくらだけ決めるなんて梅に失礼じゃないんですか?(16歳 女性)
こっちも半裸になれば文句ないだろ?(28歳 男性)
“開口”って字は“閉口”と見間違えるから使うな(56歳 男性)
水分量は人によるし、汁は不公平!(34歳 女性)
「お前らの団結力はちっちゃい昆虫以下だよな
ズレた問題で足を引っ張り合って
守れないルール作って 破って揉めてまた揉めて
絶対押すなよ系のコントみたいだな」
「聴いてください、大統領
確かに人類は愚かです
咎め合い奪い合う事でしか 一つになることもできやしない
だけど逃げない!
咎めあい奪い合いながらも
あるかもわからない答えを
探す旅から逃げない!
さあ、咲いてください いつもグダグダな人類だから
いつも変わらず美しい あなたの花びらが欲しい」
バラバラな私達を
まるであざ笑うように
一斉に芽吹く桃色の世界
今年もアホみたいにさ 口を開いて無防備に
バラバラの頭で一緒に思うんだ
“また来年もみたい”って