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作词 : 大和田 建樹
作曲 : 多 梅稚
汽笛一声新橋を はや我汽車は離れたり
愛宕の山に入り残る 月を旅路の友として
右は高輪泉岳寺 四十七士の墓所
雪は消えても消え残る 名は千載の後までも
窓より近く品川の 台場も見えて波白き
海の貴方に薄霞 山は上総か房州か
鶴見神奈川後にして 行けば横浜station
湊を見れば百舟の 煙は空を焦がすまで
遥かに見えし富士の嶺は はや我が側に来りたり
雪の冠 雲の帯 何時も気高き姿にて
三保の松原田子の浦 逆さに映る富士の嶺を
波に眺る舟人は 夏も冬とや思うらん
名高き金の鯱は 名古屋の城の光なり
地震の話しまだ消えぬ 岐阜の鵜飼も見てゆかん
いよいよ近く馴れくるは 近江の海の波の色
その八景も居ながらに 見てゆく旅の楽しさよ
東寺の塔を左にて とまれば七条station
京都京都と呼びたつる 駅夫の声も勇ましや
夏は納涼の四条橋 冬は雪見の銀閣寺
桜は春の嵯峨御室 紅葉は秋の高雄山
送り迎うる程もなく 茨木吹田うちすぎて
はや大阪につきにけり 梅田は我を迎えたり
思えば夢か時の間 五十三次走り着て
神戸の宿に身を置くも 人に翼の汽車の恩
明けなば更に乗り換えて 山陽道を進ままし
天気は明日も望有り 柳に霞む月の影
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