酒呑の暁道(酒吞的晓道) (原曲:東方萃夢想 より 砕月) - たま,Ginryu
詞:Ginryu,笥箪
曲:ZUN
ふと彷徨う騒がしき様を横目に
誰も知らぬ存ぜぬままに
飽き果てた取るに足りない一滴
醒めぬ酔いの中で笑う
夢を仄かに思えば
知らず知らずの内にも
歩み求める足
萃えや萃え嘗ての日をもう一度
駆け出した勢いは
流行り病のよう
戯けてお出合い候え
望むは人の波よ
山風香る寒を含んで
月は東に日は西に
盃頭空となり
誰が唸る一節
三味の音に囃子深く染み入り
負けじと張り上げる大音声
先の露など粋に非ず
侘しさと呑み乾す
抑えられぬ浅ましき我が心根に
当て所無くして
張りついた笑みも
欲しがるばかり
冷え切った芯に熱を注ぐ
明けぬ宵はないと語る
誰彼をまた想えば
ひどく痛んだ胸の奥に残した轍
再び歩む嘗ての日をもう一度
差し出した細腕触れるだけの指先
手繰り寄せ掴めば刹那
燈る幾つもの灯りよ
山風香る寒を含んで
薄い光に細める目
盃満たして見遣る空
ちらり舞う白雪
飽きもせず紡ぐささやかな緑
何時の間に気付かず夢現
在りし日の記憶子守唄
心地良き一節
霧がかれば晴れて隠せない
円かな月の薄明かり
何故だか明日を惑わせる
今だけと知りつつ
たおやかに靡く髪俗世を断つ
この狭間に棲む何某も
息は静か眼は閉じて
二人だけそのまま
「渡世は厭世」云々恨み節
肴に浸る酒の苦味よ
けれども染み入り酔いぬのは
酔いぬのは
「渡世は厭世」云々恨み節
肴に浸る酒の苦味よ
けれども染み入り酔いぬのは
君が居たからこそ
山風香る寒を含んで
長く長く伸びる影二つ
終わりも間近い冬景色
未練無く一息
幾度も迎え過ぎし春弥生
此度ばかりは実るものと
桜木の真下切れぬ縁
散れども咲き誇れ