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金木犀の匂いがする秋の夕暮れ
涼しい風に吹かれながら
二度目のあの部屋へ
変わってしまう
ことだけただ恐れていた
持てる全てを投げ出しても
惜しくはないほど
愛さなくていいからさ
せめてもうすこしここにいさせて
あと一月もすれば
寒くなってしまうから
別に本気になんてならないよ
君が困るから
いつか覚める夢の中で遊ぼう
本気になんてならないよ
いつかあたしがさよならを
告げる時まで
空腹で乗った電車は忙しない
東京の朝だ
安っぽいB級ホテルの歯磨き粉が
口の中に残ってる
ああ、そこにあるだけで
愛される金木犀みたいに
甘く凛と咲いていたいのに
緋色に色づいた花びらを
君が撫でるから
その横顔がやけに切ないのです
本気になんてならないよ
いつか笑ってさよならを
言える時まで
微かな祈り
今春風を待つ
緋き秋の花と
恋の詩
咲くことなき想い
まだ春風を待つ
釣瓶落としの日が暮れて
風が鳴く
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